FHB誕生の歴史 ~Chapter 1~
FHBはスイス発の時計ブランドですが、そのルーツは遠い昔、FHBの生みの親フェリックス・フーバー氏の祖先がクロノメーターを設計し、FHBの製造元「ZENO」社の前身となる工房が創業したと言われている18世紀後半にまで遡ります。
18世紀後半は、日本では江戸時代後期にあたります。
東京ウォッチスタイルブログでは、クロノメーターの設計や工房創業の時代背景、懐中時計から腕時計への進化、そしてクオーツショック、FHBの復活まで、FHBにまつわる長い歴史をご紹介していきます。
ぜひ、FHBの歴史に思いを巡らせ、ブランドへの愛着を深めていってくださいね。
1300年頃、神に祈る時間を告げる目的で生まれた機械式時計は、1583年ガリレオの発明により、振り子時計に取って代わり、現在に至るまで正確な時を刻み続けてきた。
1675年ホイヘンスによって、ヒゲゼンマイ・テンプ式の時計が製作されると、間もなくグリニッジ天文台が設立され、時刻と経度の基準が設定された。海難事故が相次いだ大航海時代において、正確な時計は船の経度を知るために必要不可欠となり、海上でも狂わない時計に巨額の懸賞金が賭けられた。
1735年、ジョン・ハリソンがマリン・クロノメーターを製作し、海上でも狂わない時計が作れる事が分かるとクロノメーターの技術競争が始まった。
1755年、FHBの現社長フェリックス・フーバーの先祖でもあり、バーゼル出身の天文学者ヤコブ・フーバーがグリニッジ天文台にて、ジョン・ハリソンよりも優れたとされるクロノメーターを設計。トーマス・マッジに製作を依頼した。完成したフーバー・マッジ・クロノメーターは、現在でもバーゼル時計博物館に展示されている。
1758年ヤコブ・フーバー氏がバーゼルに帰郷すると間もなく、クロノメーターの大量生産がスイスで始まり、多くの機械式時計工房が創業を開始した。
FHB classicの製造元であるZENO社の元となる工房もこのクロノメーター時代にスイスで創業した工房の1つであった。